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大塚 智史; 丹野 敬嗣; 岡 弘; 矢野 康英; 加藤 章一; 古川 智弘; 皆藤 威二
Journal of Nuclear Materials, 505, p.44 - 53, 2018/07
被引用回数:2 パーセンタイル:20.93(Materials Science, Multidisciplinary)高温流動Na中での燃料被覆管からのCr溶出挙動に及ぼす各種試験パラメータ(Na中溶存Cr濃度、試験温度、軸方向温度勾配、Na流速)の影響を系統的に把握するための計算モデルを構築し、数値計算を行った。Cr溶出挙動が液体Na中の溶存Cr濃度の微量の変化に大きく影響される計算結果を得た。Na中のCr濃度は、Na冷却高速炉(SFR)内における燃料被覆管からのCr溶出挙動の予測・制御のため、注目すべき重要なパラメータであると考えられる。Na中溶存Cr濃度を0.07wtppmmとした場合の本モデル計算で得たODS鋼被覆管肉厚方向のCr濃度プロファイルは、BOR-60照射試験データとよく一致した。
大塚 智史; 丹野 敬嗣; 岡 弘; 矢野 康英; 上羽 智之; 皆藤 威二; 古川 智弘; 加藤 章一
no journal, ,
高速炉長寿命燃料用ODS鋼被覆管の想定使用温度は最高約700Cと高温であり、このような高温環境では冷却材の液体Na中の鋼材構成元素の溶解度が高まる結果、溶質元素の質量移行(溶出、沈着、拡散侵入)が生じることが報告されている。質量移行事象の駆動力は、被覆管と液体Na中の元素の化学ポテンシャル差と考えられるが、化学ポテンシャル差は温度だけでなくNa中不純物濃度など複数の因子に依存するため、実験データを適切に評価し、実機での事象を予測するためには、試験温度と試験時間以外の因子の影響も考慮する必要がある。本研究では被覆管の主要構成元素であるCrに着目し、Crの溶出事象のモデル化と数値計算を実施した。